唐突ですが、最近「リスク」に対する姿勢でその人の能力やスタンスがかなりの割合で計れるなあ、と思うことが多いです。
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※ここでいうリスクとは、一般的な日本語で言う「危険性」という意味ではなく、アップサイドもダウンサイドも含めた「不確実性」であるということを最初に明記しておきます。
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結論から先に書いてしまうと、
- アップサイドリスクに対しては徹底して楽観的であるべき
- ダウンサイドリスクに対しては徹底して悲観的(あるいは極端に慎重)であるべき
一見当たり前のこと言ってるように見えますが、これの逆を行ってる人の実に多いこと。
つまり、アップサイドリスクに関しては「そんなに上手く進むはずがない」とネガティブに考え、ダウンサイドリスクに関しては「まあ何とかなるだろう」と根拠のないポジティブシンキングを発揮する、そういうことです。
これはとても愚かなことだなあ、と感じます。
また、アップサイド/ダウンサイド両面で逆を行ってしまうのは本当に本当に目も当てられませんが、どちらかだけでも、いけません。
(つまり、楽観的な人は徹底して楽観的、逆もまた然り、これはこれでやはりバランスを欠いていると言わざるを得ません)
特に経営者や一家の大黒柱的な存在である人間にとっては、上記の思考パターンは致命的であるとすら、半ば確信めいた思いで見てしまいます。
今現在のぼく自身の結論としては、
アップサイドを悲観的に見てしまうと、
「思考はそれ以上に拡散せず」
「故に行動も縮小均衡に向かってしまい」
「つまり夢がない」
ということになります。
ダウンサイドを楽観的に見ることは、
「行く末を運(または何か不確実な要素)に任せてしまい」
「さらには然るべきリスクヘッジも取れず」
「つまりは自分と自分の周囲に対して無責任である」
ということに他なりません。
ぼくは理屈に縛られて都度自らの行動を制限してしまうことは好きではありませんが、
リスクというのものを本質的に理解せず、ただただ脊髄反射で行われる行動・発言に対しては、何だか見てはいけないものを見てしまったような気になって、思わず目を逸らしてしまいたくなります。
個人的な経験上では、上記のような人で大成した人は見たことがありませんし、そもそも「仕事ができる」「話が通じる」「頭が良い」と感じる相手は、やはりリスクとの付き合い方を認識している人が多いような気がします。
こういうの、以前より、何とはなしに抱いていた感覚なんですが、ちょっと自分の思考をまとめたくなったので、エントリとして残しておきます。